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2005年12月5日(月)
気がつけば、いつの間にか東北に出発してから10日以上が経ち、帰ってからも1週間になろうとしている。 此道を得るには正師の爐鞴(ろはい)に入るは勿論、自己の肺腑を吐露して鉗槌を受くることを要とする。師家も亦学人をして必ず我見を滅却せしめ本心開眼をせしめる。我等も此境を幾度か往来した。「犬になれ、四ッ這になってワンと云へ、云へ」と云はれる。犬の真似は容易だが、犬には成りきれぬ。如何にも馬鹿らしい、人間が犬になれるか等と云った、自惚の撞着が心の一角に潜在していて、如何にしても成りきれぬ。此撞着我執で散々棒喝を喰って、初めて『自惚だ』と気がついた、此自惚がある間は何をしても真の仕事にはなって居らぬ。況や道を修行する等と笑止千万、我ながら笑はざるを得なかった。「馬鹿野郎、今日迄何にしにうせた、タワケ奴が」と大雷一下、此時初めて正師の有難味が明瞭に判った。有難いと思ふ刹那に心の弛みが出た。又一喝一棒を頂戴した。犬になるのを忘れていた。見事真の犬になり切って了った。それから一月程の後であった。犬になり切れた事を喜んでいた時であった。呼ばれる儘に近寄ると「面を洗って来い」云われる儘に洗面して来ると「それで綺麗になったか」-ハッと正念に帰った‐俺は人間だ、万物の霊長だ、師家の殺奪圏から正しく覚醒して来た。カーッ大雷の如き一喝を師に浴びせたが師は更に不関焉であった。
という部分がある。そして、これに続けて「正師ならば如斯懇切丁寧を極め、我等未到の境を発見せしめる」とあるが、そうした師に出会わず、暗中手探りを続けている私にとって、自らをさまざまな角度から眺め、削り落とし削り落としてゆくしかないようである。 以上1日分/掲載日 平成17年12月5日(月) |
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2005年12月9日(金)
『願立剣術物語』第三十三段「足下軽く足は手に引かれて行くぞ…」のくだりは、今まで特に何百回も読み返したところだったが、ここ数日その意味があらためて深く心に入ってくる。以前、武術の体の使い方を糸電話に例えた事があったが、数日前、音楽関係の人達に話していた時、動きの妙を得た古人の体の使い方は、糸電話を2人が駆け回りながらかけ続けている困難さを維持していたほど超絶的だったのではないか?という例えがフト浮かんで、あらためてこの三十三段目の「足下軽く足は手に引かれて行くぞ…」のくだりが一歩深く分かったように思えた。 以上1日分/掲載日 平成17年12月11日(日) |
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2005年12月14日(水)
ここずっと分単位のスケジュールで動いている気がするような状態。そのため、12月の2日は漫画家の井上雄彦氏を迎えるため、何ヶ月ぶりかに畳が広く見えていた道場も本のゲラやいくつもの作業中の書類やら衣類で、また埋まってしまった。 つまり、体育・スポーツ系の人達の人体の科学的研究は、人間の体をより単純に機械的に解析しようとするのに対し、もともとが機械工学の人達は、人間の作ったロボットでは本物の人体の複雑高度な機能と動きは容易に出来ないから、何とかその複雑な動きに一歩でも近づきたいと思っているということである。
その結果、私が椅子に座っている人を椅子に座った姿勢のまま抱き上げる「浮き取り」などという奇妙な技は、スポーツ体育系の科学的研究者は、ハッキリ言って関心を持つどころか、「また厄介なことを言い出したな」と迷惑そうな人が少なからずいるのに対し、機械工学系の人達は、「いや、これは面白い」と、まるで難しいパズルに挑むパズリストのような気持ちになるのか、目が輝き、研究心を刺激されたような顔をする人が少なくないということである。 この暮れに入って、いろいろと送っていただいたり、お世話になったりで、本来なら手紙や電話で御礼を述べなければならない方が数十人いらっしゃるが、何とも今は手がまわらない。ここに御礼を述べさせて頂き、略儀の無礼を御容赦頂きたい。 以上1日分/掲載日 平成17年12月15日(木) |
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2005年12月22日(木)
今年は、年が明ける前に思いがけぬ量の雪が日本のあちこちに降っているが、まるでそれと連動しているかのように、今の私はやらなければならない用件がドカドカと降ってくる。今までも忙しさに振り回されていたが、今年はやることがあまりにも多い。特別に本が売れているわけでもないし、ホームページのアクセス数も一時期より減っているのに、なぜだろうか? 12月19日
15日に朝日カルチャーセンターでの講座を皮切りにめぐった関西への4泊5日の旅を無事に終え、今、最終の1つ前の「のぞみ」で名古屋から東京に向かっている。
12月22日に戻って・・ 以上1日分/掲載日 平成17年12月22日(木) |
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2005年12月28日(水)
今年もいよいよ押しつまってきたが、やらなければならないことの3パーセントもこなしていない気がする。それでも26日、仕事としては最後のORCNANA公開講座を終える。ナンバをテーマにした講座だったが、ここで私が感じたことは、ナンバという言葉に関して実に多様な思い込みがあるということだ。シンポジウムの途中、フト浮かんだのは、「居合刀」という言葉。
今年は、また今まで以上に多くの分野に拡がりがあり、たいへん多くの方々にお世話になりました。ただそれだけに、諸々の用件がとてもこなしきれないほど発生し、何人もの方々の御依頼が立ち消えになったり、行方不明になってしまいました。御迷惑をかけた方々にお詫び申し上げます。 以上1日分/掲載日 平成17年12月28日(水) |
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