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2010年1月2日(土)

 新年おめでとうございます。

 本年は社会的にも、個人的にも、さまざまな場面で、いろいろな問題が押し寄せて来そうですが、乗り越えて行くしかないようです。昨年も御支援下さった方々、また私の活動に御関心を持って下さる方々、どうか本年もよろしくお願い致します。
 今年は、昨年の9月から森田真生氏と始めた「この日の学校」が、その輪を広げはじめ、今月は名古屋で、そして来月は東京で行なう予定で、名古屋はすでに告知済みですが、東京も近々詳しいことを発表する予定です。(2月23日の18時半か19時開始予定です。場所は江東区の音楽家講座と同じ場所です)
 その他、ニホンミツバチに関連して、ネオニコチノイド系の農薬の問題について、さまざまな場で訴えていきたいと思います。 
 そして、私の本業である武術研究の方も、昨年の夏から暮れにかけて、いままでにない勢いで変化してきましたので、その進展状況といままでの術理を整理して久しぶりに書き下ろしで一冊本にまとめたいと思っています。
 また、以前『身体から革命を起こす』で発表したような、私や私を取り巻く人々のここ数年の変化について、新しくT氏に書いてもらう事で、準備を始めてもらっております。さらに、昨年ある程度まで出来ている名越康文氏や萩尾望都女史との対談共著本も、今年は出るかと思います。
 それだけで夏までの予定は精一杯な気がしますが、おそらく今は思ってもいない企画が来たり、思いがけない人や現象と出会い、技の上での気づきもあると思います。この随感録を御覧になって御関心の出た方は、私の公開講座等にお越し下さい。
 1月は5日が綾瀬8日が池袋13日が朝日カルチャーセンター新宿16日が「この日の学校イン名古屋」17日が名古屋の稽古会21日がNHK文化センター青山28日が楽器演奏を主とした音楽家のための身体の使い方のアドバイスをする公開講座(音楽に直接関係のない方も参加出来ます)があります。関西の方は2月4日に朝日カルチャーセンター大阪での講座があります。その後、2月6日は佐渡で、7日は新潟で講習会を行う予定です。人間の心身の働きの不思議さ、精妙さに気づくことは、景気の良し悪しに関らず、人間として最も根本的な生きる意欲につながります。寒い最中ですが、新潟などは講習会の後の打ち上げで気づきが進展することがよくありますので、御縁のある方はどうぞ。

以上1日分/掲載日 平成22年1月3日(日)


2010年1月9日(土)

 気づけば1月も、もう9日。正月は新しい依頼や問い合わせ企画の相談などが途絶えるので、ここ何年も片づけの一番いい時期となっているのだが、今年は技の進展もあり、その正月の片づけの日も短縮して、稽古や、溜まっていた用件を少しでも減らそうとしているうちに正月休みが明け、様々な用件が流れ込んできてしまった。
 今年は正月早々から「この日の学校」の開催や内容の相談、ネオニコチノイド系の農薬の問題に関連して、ニホンミツバチに関心を持つ人の輪を広げたりと、最近新たに増えた、そういった用件の他にも統合医療に関連し、私のサイトともリンクしている小池統合医療クリニックの小池弘人院長から相談を受けたり、私が初めて開発のプロデュースをした、身体づくりとトレーニングを兼ねた器具「みちのく山道」の発売に関して、製作発売元である「まるみつ」の小関勲氏が来館したり、その折同行のサッカーJ2のあるチームのゴールキーパーのS氏の希望で技を体験してもらったり等々…。
 しかし、こういった様々な事柄は、いろいろと微妙に関連していて、イモズル式という表現は、この際あまり適切ではないが、何かすべてが繋がっている気がして切るに切れず、断るに断れないので、それこそ用件が雪ダルマ式に膨れ上がる。
 その上、稽古して気づきは日々あるし、まあ、ありがたいことではあるが、やりたい事が出来ないストレスもかなりある。お陰で年賀状など昨年暮れは1枚も書けなかった上、正月ももう9日というのに1枚の返信もしていないという、いまだかつて一度もなかった事態。(是非とも返信したい方も少なくないが、寒中見舞いか、それ以後にズレ込みそうである)
 とにかく、あまりにやる事が多くて、一体何からやろうかと呆然としてしまう時もある。そういう時間が出来るので、いまこれを書いているわけだが、最近は私の技が激しく変化しているので、講座等も一般の常識とはかなり違う展開をしている。以前からその傾向はあったが、ここにきて一層それが目立っている。そのため、興味深く感じて頂ける方も少なくないと思う。(昨日の池袋コミュニティカレッジの講座でも、興味を持って下さった方々の反応は普段と違っていた)
 もっとも、いま私が説くところは、あまりに一般的な常識と違ってきているので、頭が混乱してしまう人も出るかもしれないが…。
 ただ、世の中全体に不安と危機感が拡がっているなか、一般常識的な方法では局面が打開出来ないと感じられている方には、思いがけないヒントを提供出来るかもしれないと思っている。

 御関心を持って頂いた方は、近々では13日に新宿の朝日カルチャーセンターで講座を、16日は名古屋で初めての「この日の学校」を開きますのでお越し下さい。特に16日名古屋で私と共に講師を務める森田真生氏に関しては、昨年の8月28日にプロフィールを、また9月9日12月4日には森田氏の書いた文章を紹介してありますので、御覧になって下さい。会う度に進化している森田氏の学問そのものに対する本質的洞察と、そこから展開される話は見事というしかありません。
 学問を受験とか仕事上の資格取得や仕事上の目的達成のためではなく、人間が生きることそのものを深く見直し、その結果、受験とか願望達成といった事が自然と成就するか、もしくは更に大きな目標を見つけ、そういう事に心を煩わせずに生きて行くことが出来るキッカケとして、「この日の学校」に御縁のある方の御来校をお待ちしています。

以上1日分/掲載日 平成22年1月9日(土)


2010年1月15日(金)

 今日はどこにも行かず誰も来ない、今月では数少ないオフの日だが、朝起きた時から「今日1日くれぐれも時間を無駄にしないように」と自戒しつつ活動を始めた。
 というのも、明日から名古屋で、朝から出かけるが、一昨日、朝日カルチャーセンターでの講習会の後、フランスのT氏からの要請で、当初5月に行くはずのフランス行きを6月に変更。それに伴って、いろいろと調整が必要となったのだが、昨日は東京都の福祉保健局からの依頼で茗荷谷駅近くで、主に理学療法士、作業療法士の方々対象の講習会を行なったため身動きが取れなくなっていたからである。
 まずムック本『千代鶴是秀』(私が2006年5月7日付けの、この随感録で紹介した讀賣新聞の5月7日日曜日付けの紙面に載った「空想書店」で紹介した6冊の中で一番のメインに据えた本)の著者、土田昇氏と朝日カルチャーセンターで公開トークを行なうことを、当初の予定の6月から、4月21日に決める。またその関連で長崎大学医学部からの依頼を6月から5月に動かし、その関連で佐世保の講習会を考え、その相談で佐世保の野元氏に電話をしていると、ニホンミツバチの飼育とネオニコチノイド系の農薬の問題に話が進み、『大地の母』の版元である、みいづ舎の山口勝人氏や、宮城の山中で炭を焼いている佐藤光夫氏にも、私がつないだこの話の縁が現在どのように広がっているかの報告を頂き、結局何の話題で電話をしたのか分からなくなりかけ、やっと本題に戻って電話を切った。そして次は、3月末の福岡での講座の関連で、香川での講習会を22日に入れた件で四国の守氏と電話をしているうち『みちのく山道』の話題になったが、話はさらに拡がって、気づけばかなりの時間をとっていた。この間、家人が出払っているので、飯を炊いたり洗濯をしたり、明日の名古屋行きの用意を同時並列的にこなす。
 それでも今日中にしなければならない用件は、まだまだ終わらない、新しく入った幻灯舎からの依頼の件で幻灯舎に電話。
 医学書院の鳥居氏からの『リハビリの夜』の書評の依頼、土田氏との公開トークの宣伝文の依頼、『コンバット』誌の原稿も近日中に書かねばならないので、その下準備。(『コンバット』誌の原稿は既に書いてあったものを僅かな手直しだけで済んだのでヤレヤレだ)実際の執筆は、明日車中かどこかでやらなければならないだろう。それから今月末に京田辺のある学校に行く件と、その後また違う高校へと行く段取りの打ち合わせ。また、精神科医の名越氏関連からの依頼で総合格闘家のT氏が私の技を体験したいという件で、名越氏の所属事務所のK社長と電話。私も技が、ちょっと今までにない進展中なので、私自身の研究のためにもT氏には会いたいし、いろいろとまた日程を調整。さらに24日に小金井で稽古をするので、関係者に連絡をし始める。
 そして、木彫彩漆工芸作家の渡部翁にお貸ししている刃長一尺を越える木割りが、厚すぎて木を割りにくいという事なので、この木割りの厚み、つまり刀で言えば"重ね"を落として薄くする件で、懇意の刃物店「菊一商店」に依頼していたのだが、話が通ったので、その連絡の手紙を書き始める。これも続きは旅の空の下でという事になりそうだ。
 それから、昨年秋亡くなった仙台の森氏の稽古会の後を菅野秀雄氏が継がれるとの御手紙を一昨日頂いているので、仙台での稽古会の件も相談しなければならない。取り敢えず返信用封筒に宛名だけ書く。
 いよいよ明日となった「この日の学校イン名古屋」の件で、主催して下さるラヴィの牧野女史から連絡。少し電話でお話しする。そして、この後、講師の森田氏と若干の打ち合わせ。明日森田氏と新宿から一緒に行くので、新幹線の中では、とてもではないが内職は出来ないだろうなあ…。この他、今月28日の音楽家の講座、2月23日の「この日の学校イン東京」の件で白川女史との相談もしなければならないと思うが、これも旅先からになりそうだ。また3月27日に「この日の学校イン大阪」の予定を入れたので、この件もこれから相談しなければならない。その他公開していない講座や対談などの打ち合わせも5,6件あるが、これは名古屋から帰ってきてからにしたい。

 本日の随感録は切羽詰った私の備忘録に業務連絡も兼ねたため、ひどく込み入ったものになってしまいました。これを読まれて何か気がつかれた方、また、私と近々何か打ち合わせをされている方で、以上書きました以外で何か約束されている方があれば、ご確認のため至急ご連絡下さい。

以上1日分/掲載日 平成22年1月16日(土)


2010年1月18日(月)

 16日は、「この日の学校イン名古屋」の第1回目を盛況裏に終わり、翌日は名古屋での定例の講習会。そして夜は私が講習会をやっている間、「この日の学校 番外編」として、初めて森田氏単独で行なった「数学の演奏会」というセミナーとの合同打ち上げを行ない、その後さらに又別の会場での二次会等を行ない、充実した2日間が終わり、今日、18日は米田柔整専門学校柔道部での稽古指導。
 拇指背面橈骨側の使い方などに、かなりの関心を示してくれた選手も現れてきて、河原監督やT女子部監督にも益々関心の度合いを深めて頂き、この3日間いろいろと世話になった山口氏に名古屋の駅まで見送られて"ひかり"に乗って、いま帰京中。その車中で、今回の講座に来られた方に差し入れて頂いた「小粒な干しいも」をつまみながら、「ああ、本当に人の縁に恵まれ、出会いに恵まれ、有難いことだなあ」としみじみ感じた。
 つまり、森田真生氏という本当に稀有な若者との出会いに恵まれて、「この日の学校」を立ち上げ、今回は初めて名古屋で2日間、数学というおよそ多くの人達が敬遠しがちな分野を通して、いままでとは違う学問の世界を参加した方々に提供することで、不思議な充実感と興奮を多くの人に体験してもらい、今日は、リアルファイトの柔道関係の人達に、いままで以上の興味をもってもらえたという、この3日間を振り返って、人間として生き甲斐を感じられるという事はこういう事かと、何かを成し遂げた時のような深々とした思いに包まれたからである。そう思えるのは、牧野女史をはじめとするラヴィのスタッフの方々と、山口氏をはじめとする名古屋の稽古会のスタッフの方々の尽力があったからだと思う。あらためて御礼を申し上げたい。そして、この思いの中には、普通の人からみれば奇異に思われるかもしれないが、長年憧れていた本格的な甘いもの嫌いとなる事が出来て、干し芋のような素朴な甘さまでならいいが、菓子は本当に要らなくなった事への満足感や、私の技に一歩踏み込んで関心を示してくれた柔道選手に、平蜘蛛返しや拇指の背の使い方を説いて、或る程度出来るようになってもらい、その興味が今後さらに育って行きそうな手応えを感じられた事、また私の説く武術の原理をその場で、すぐ体験できる「グーパー引き」のような、誰もが感嘆するような技を創出するほどに陽紀の体の使い方のセンスが育ってきている事(つまり、もう十分一人でやっていける事が実感出来たので、親としての責任感から解放された身の自由さにホッとしている自分を確認した事)などなどが重なったのだと思う。
 さて、今日はこれから東京に帰って、精神科医の名越康文氏が所属しているクオリアのK社長の依頼で、総合格闘家のT選手のジムに技の実演と解説に向かう予定。名古屋の米田柔整の道場で気づいたことから、また何か展開があるかもしれない。名越氏も同行したいとの事なので、新幹線は品川で降りて、高田馬場に向かおうかと思っている。


2010年1月19日(火)

 さきほどT選手から電話。また是非指導をお願いしますとの事。同行した名越氏によると、昨晩のうちにT選手が私に指導を受けた感想をブログで発表していたようだ。
 昨晩は私としてもジムの若い人に「三角締め」をかけてもらい、その外し方を工夫するなど得るとことも少なくなかったので、また交流を持ちたいと思う。
 それにしても16日から3日間ほとんどずっと4時間ぐらいの睡眠で、いろいろな人と話をし、持参した手紙も原稿も書く暇がなかったから、今日はさすがにドッと疲れが出た。
 しかし、今月末から2月3月、それに4月5月までの間の様々な企画や打ち合わせで、今日も6時間は電話していた。いくら何でもそんな筈はないのだが、感覚的には何だか昨年の倍は忙しいような気がする。しかし、まあ、とにかくやれるだけの事はやって行こうと思う。

以上2日分/掲載日 平成22年1月20日(水)


2010年1月21日(木)

 19日、20日と自宅から全く出ずに諸々の用件と取り組んでいたが、それによって用件は減るどころか、かえって増えた観がある。この間、稽古らしい稽古も出来ず、書きたい原稿も書けず、漸く最優先の手紙2通だけは書いたが、出さなければと思いつつ手が回らない未返信のメールや手紙は多分100ではきかないと思う。誠に申し訳ないと思うが、一人の人間が出来ることは自ら限りがあり、どうにもならない。
 諸々の用件のなかでも企画の相談や打ち合わせは最も時間をとるが、これが現在の私のメインの仕事なのだから、おろそかには出来ない。新しい企画は出せと言われたら際限もなく湧いてくるから、今は懸命に封じているが、最近は私が思いつかなくても先方からどうしても私が関わらざるを得ないような企画がやってきたりして、そうなると優先順位を上げてそれと取り組まざるを得ない。
 たとえばニホンミツバチとネオニコチノイド系の農薬の問題など、私の仕事として収入に結びつくような話ではないが、これは座視出来ないし、昨日、数年ぶりに東大のロボット研究で知られているK教授から頂いたお電話の内容は、「あれからずっと甲野先生の動きについて工学的にさまざまに考えていたのですが、どうしてもこれは動きの原理そのものを根本的に考え直す必要があるとの結論に達しましたので、是非ご協力頂きたいのですが…」というもので、これは私としても常日頃、現在のスポーツ科学の不備で、私から見てとても勧められないトレーニングで多くの青少年が体を壊したり、上達出来ずに低迷している事態を何とかしたいと思っているので、「そういう事でしたら出来るだけ御協力したいと思います」と御返事せざるを得なくなる。
 その他にも、昨日は長崎在住の剣道指導者で、私の知る限り唯一、私が現在勧めている、竹刀を持つのに左右の手を離さず、くっつけて持つ昔ながらの方法で少年少女に剣道を指導されているU先生から電話を頂き、今年私が5月に長崎大学に招かれて長崎に滞在する折に、剣道関係の方で私の動きに関心のある方を対象とした稽古会を開きたいと申し出て下さった。ただ、現在の私の剣の使い方は、現代剣道からみれば異端も異端になっているから、これが有効であっても、いや有効であればあるほど邪剣などと言われかねない恐れがあって、この辺も何とかしたい課題である。
 剣といえば畏友の前田英樹立教大学教授から、最近『宮本武蔵 剣と思想』(ちくま文庫最新刊)を送って頂いて、時間を盗むようにして読ませて頂いたが(とても全部は読めていないが)、この本の最初に展開されている「司馬遼太郎は『五輪書』を読んだか」の論の展開の仕方は見事。もし司馬氏が生前これを送られたら、「勉強不足で申し訳ありません」と言うしかないだろう。
 とにかく、私も書きたいものや修理したいもの、試作したい道具など、やりたい事が山積みしていながら、それらにはほとんど手をつける事が出来ずに、いたずらに日が経っていくのは何とも辛い。
 今週も一杯一杯だし、来週2日ほどあるオフの日は、1月の31日から2月の8日まで関西や新潟に行くための荷造りや、企画の相談などで消えてしまいそうだ。そうしたなかで、とにかくシンプルな生活に私の嗜好も合ってきたので、その分そうした事に時間が取られなくなっていることは幸いと言えるだろう。
 しかし、一般の方々は、現在の私が酒も煙草も茶も(日本茶、紅茶、コーヒー等)も菓子も関心なく、茶はハトムギなどを主とした五穀茶、菓子は全く要らず、せいぜい干し芋くらいが有難いという上に、肉料理や魚料理も出されれば食べない事はないが、自分から積極的に金を払ってまで食べる気はせず、卵なども、どう手を加えるよりも生卵が何より結構という生活は、きっと味気ないと思うだろう。
 しかし、私にとって雑穀飯にザッと湯をくぐらせた小松菜やミツバ、ニラ、納豆、動物性を入れるなら生卵に行者ニンニク醤油漬けを入れたもの、これ以上に心身共に満足する食事はあまりないという状態に落ち着いたことで、どれほど精神的にも楽になっているか分からない。
 まあ、嗜好というのは理屈でどうなるものでもなく、私もかなり風変わりな好み(衣料品などでは)があるので、他人に自分の好みを押しつける気はサラサラないが、シンプルな食事に満足が得られれば医療費の節減、環境への負担の軽減、犯罪の抑制など、さまざまな事が根本から変わると思う。

以上1日分/掲載日 平成22年1月21日(木)


2010年1月30日(土)

 25日、26日と珍しく連日オフなので、原稿書きと関西行きの荷作りを早目に始めたいと思っていたが、25日は様々な用件が入って、遂に原稿は一字も書けぬまま、荷作りもロクに進まず、9時に来客を迎え、11時に見送った後も、取り敢えずやらなければならない諸用をやっていて、とうとう一字も原稿も手紙も書けずにいるうちに眠くなって寝る羽目になってしまい、さすがにこの日は凹んだ。
 翌日は午後3時にやはり来客。というのも、私にとっても重要な人が人生の節目を迎えるための挨拶という事なのだから、どうにも断りきれない。ただ、武術の技を受ける事は大好きな人なので、ごく最近の展開を受けてもらって解説しているうちに、気づきがドンドン進んで、いままでの私の術理の中でも画期的な、身体に備わったキャスターというか風見鶏の働きに気づく。
 これは17日、名古屋で気づいた三角筋をチーフにしてプロジェクトを組み直すという気づきがあっての事だが、丈夫なロープ1本あればボートが激流を遡れる働きも思い出され、さすがにちょっと興奮してしまった。しかし、その気づきの感激に浸っている間も許されないほどの用件また用件。
 気づけば、もう明日から関西行きとなってしまった。それにしても、まるでどこかで誰かが私を見張っていて、少しでも私に時間的余裕があれば、どうにもならない用件を作って私の時間を塞ぐようにしているのではないかと思うほど…。
 今夜こそは、明日早朝に関西に出かけるので、これを書いて早寝をしようと思っていたら、部屋の仕切りのドアノブの内部が壊れて、別に鍵がかかる構造でもないのにドアにロックがかかってしまった。家で最も頻繁に使うドアが開かなくなったまま私が関西に行ってしまったら家人にとって不便この上ない。
 仕方がないので妻を助手にして、ドアの僅かな隙間に金ノコの刃を入れて、ロックをかけている金具に少し切り口を上下二ヶ所につけ、そこに薄い刃物を入れ、何とか片方ずつテコを利かせてロックを解除。5分でも惜しい時に小1時間も使ってしまった。しかし、自分でもそういう作業がよほど好きらしい。専門家に来てもらうなどという発想は全く浮かばなかったし、その顛末をついこうしてここに書いてしまう。
 それにしても、いま誘拐されて、どこかに閉じ込められても紙とペン付きなら大歓迎といった心境。それほど書きたいものが溜まっているのだが、とにかく今は状況に沿っていくしかないようだ。

以上1日分/掲載日 平成22年1月31日(日)


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